【読書メモ】大澤正雄著/図書館づくり繁盛記
図書館づくり繁盛記: 住民の叡智と力に支えられた図書館たち! (図書館サポートフォーラムシリーズ)
- 作者: 大澤正雄
- 出版社/メーカー: 日外アソシエーツ
- 発売日: 2015/06/19
- メディア: 単行本
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ここのところ、図書館の新築やリニューアルで、よく問題が起きています。
だいたいは、民間委託をどのように行っていくかといったところや、予算などの問題。
反対運動や検証、住民投票などが行われています。
そのあたりのことは、別に検証する(かもしれない)として。
この本は、著者の大澤正雄氏が関わってきた図書館づくりの個人ヒストリー。練馬区(東京都)、朝霞市(埼玉県)、鶴ヶ島市(埼玉県)で、図書館をつくってきた経験を記しています。
ここ最近のホットトピックで、図書館がどのように作られているか、といったところに興味が出てきた人もいるでしょう。そんな人にこの本は、1個人の経験とはいえ、複数の図書館がどのようにできあがってきたかを伝えています。
この本から読み取れるのは、図書館をつくるにあたって、何を考え、どのような問題があり、どのように作ってきたか、ということ。1960年代の図書館づくりからなので、最近の図書館がどのように展開してきたか、という歴史も垣間見られます。歴史の実例は、最初に挙げられている練馬区立の図書館で垣間見られます。今では、図書館では自由に本を手にとってみられるけど、すべての本が閉架が基本だった時代があるって、信じられますか? 開架にすることに図書館員が反対していたって信じられますか? NDCじゃ使いづらいから独自に分類を!とか60年代、70年代から言われているんですよ。公共図書館は、そんな時代を経て、今、サービスを行っているんです。
そんな歴史的変遷も読み取れます。
ただ、この本は、あくまで個人の主観に基づくものです。
運動や実践が、どのような評価をもたらしたのかは、別の視点からの検証が必要です。
こんなことを考え、実践して、図書館を作ってきた図書館員がいた、という感じで読んだほうがいいです。
まぁ、それでも、図書館づくりには、これまでもいろんな問題や、考え方の変更などがあった、それはこれからも変わっていくだろう、ということの考える土台にはうってつけだと思います。
一図書館員の回顧録なので、合わせて読んでほしい本があります。
中小都市における公共図書館の運営―中小公共図書館運営基準委員会報告
- 作者: 日本図書館協会
- 出版社/メーカー: 日本図書館協会
- 発売日: 1973/03
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 37回
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このあたりを読むと、公共図書館の最近の発展の歴史がわかります(さらに前史がありますが)。